第14章 ピックアップ御礼記念~真夏の戦国武将~
「っ…分かった!休戦して休戦!」
政宗と幸村から始まった
水の掛け合いは
あっという間に拡大して
あちこちで
止めどなく続く
水の掛け合い合戦に
堪らず白雪が
休戦を提案して
やっと皆の手が止まる
「もぉ…そんな本気で
やらなくたって…」
水合戦に巻き込まれて
頭からずぶ濡れの白雪が
顔の滴を払うと
波乗り板に這い上がり
跨ぐように座る
水に浸かっていた
白雪の身体が
青空の元に晒される
「馬鹿だな
本気でやるからおもし…」
白雪を振り返った政宗が
言葉を失う
突然黙り込んだ政宗に
皆の視線が白雪に集中する
全員が思わず
ごくりと喉を鳴した
水を含んだ生地が
白雪の身体に
ぴったりと張り付き
その形を露にする
豊かに膨らんだ胸
滑らかな曲線を描く腰
「…露出が少ないから油断してた…
なかなかの破壊力だ」
佐助が眼鏡を押さえながら
やけに真剣に呟いた
「っ…どっどうにか
なんねぇのかあれ」
幸村が慌てて視線を逸らす
「……白雪様は真の
天女様なのでしょうか」
秀吉が呟く三成の眼を覆う
「お前は見るな…」
「…秀吉様は宜しいので?」
「兄はだからいいんだ…」
「兄でも駄目でしょう…」
「黙れ家康…」
「武将ともあろう者が
女子の身体位で狼狽えるな」
謙信が冷たく三人を睨む
「女の肌を
見た事がない訳でもあるまい」
信長が可笑しそうに
三人を見下ろした
時同じくして
「……なかなか扇情的光景だな」
光秀が低く唸った
浜の上でもまた
男達がその眼に
優美な曲線を焼き付けている
「これ以上の
つまみはあるまい」
信玄が
海上に浮く白雪の身体に
乾杯するように
盃を掲げて酒を煽った
「半裸の女子を
眺めて酒を呑むとは…
甲斐の虎も堕ちたものだ」
顕如は
そう言いながらも
視線が白雪を追ってしまう
「天からの思し召しと思え」
信玄が笑うと
顕如は溜め息と共に酒を煽る
光秀は
白雪の美しい身体と
政宗の余裕なく
狼狽える姿を
脳裏に焼き付け
緩む口元を
盃で隠すのだった
「おまっ……」
「えっ?何?透けてるっ?」
白雪が視線に気が付き
自分を見下ろす
「透けにくい色にしたんだけど…」
「…そうじゃねぇ…が…何でもない」
政宗は白雪に背を向けて
幸村達の方へ行ってしまう
「…?」