第14章 ピックアップ御礼記念~真夏の戦国武将~
「時に白雪お前は
どうするのだ?」
信長が突然振り返る
「えっ?私も
ご一緒したら駄目ですか?」
八人の目が
一斉に白雪を捉える
「…構わぬが…」
「あっ…大丈夫ですよ!
ちゃんと別のテント…
天幕で着替えますから」
「じゃあ俺も…」
政宗がしれっと
白雪の腰に手を伸ばす
「…行きますよ政宗さん」
その手を家康が
しっかと掴み
自分の方へ引き込む
「あぶなっ…
おいっ家康っ
急に引っ張るなっ」
「お前…
女と着替えるつもりかよ」
家康の隣で
幸村が眉を潜める
「なんだ幸村羨ましいのか?」
「ばっ…馬鹿言ってんじゃねぇ」
顔を赤らめて
抗議する幸村
「騒がしい奴らだ」
謙信が横目で睨みながら
追い抜いていく
「俺たちも行くぞ
家康…政宗を離すなよ」
秀吉が告げながら
信長と共に天幕へ入る
「家康様着替えを
お持ちしますよ」
にこやかに微笑む三成
「…俺はいいから
政宗さんのを持って」
「はい!あっお待ち下さいっ…」
何やら文句を言う
政宗を無視して
ずんずん進む家康を
三成が追って行った
「白雪さん…
そっちに小さいテント
張ってあるから」
三人を
波間を眺められる
一等地に設置した
天幕でもてなした後
こちらへ
走ってきた佐助が
白雪専用に建てた
テントを指差す
「ありがとう佐助君」
にこにこ笑顔の
白雪にまた後でと
手を降って
佐助も着替えに向かった
暫く後
「よーし全員着替えたな!」
それぞれが
白雪お手製の
水遊着に着替え
佐助お手製の
波乗り板を片手に
浜辺にずらっと並ぶ
「サーフボード片手の戦国武将…」
佐助が
い並ぶ武将達に
熱い視線を送る
「っ…んだよ…気持ち悪りぃな」
「すまん幸村…
あり得ない光景につい見とれた」
すると天幕の影から
白雪が顔を覗かせる
「あっ白雪様!こちらです」
三成が手を降ると
少し恥ずかしそうに
白雪が出てきた
男達達の眼が
白雪に釘付けられる
「お待たせしました」
はにかみながら
側に駆け寄る
腰までの長い髪を
後で束ねて三編みにし
蘇芳色の
首の後と腰の後で
縛る形の上衣に
膝上丈の下衣を
身につけた白雪
普段は着物に包まれ
晒される事のない
細く長い手足が
真夏の太陽に照らされて
一層眩しく輝く