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イケメン戦国~捕らわれた心~

第14章 ピックアップ御礼記念~真夏の戦国武将~


「とっ…とりあえず
着替えませんか?」

「着替えですか?」

三成が自分の着物を
引っ張ってまじまじと眺める

「確かに…これで海に
入るのは危険ですね…
皆さん褌になりましょう!」

「はっ?馬鹿なの?」

家康が眉を潜めて三成を睨む

「三成さん待って下さい」

佐助が三成を止めると
白雪が大きな荷物から
何やら取り出し始める

「佐助君には道具作りを
私は水遊び用の
着物作りを担当したんです」

にっこりと笑みを浮かべ
各々にに手渡していく

白雪は祭の衣装や
飛脚の服を参考にして

膝上までの細身の股引と
腹掛の様にぴったりとした

胸や腹を守りつつ
動きを妨げない服を
丈夫な綿で縫い上げてきた

「さっ皆さん
あちらでお召し換えを!」

佐助が指差す方には
いつの間に建てたのか

テントのような屋根付の
日影が用意されている

「忍…佐助と言ったな…
用意がいいな…褒めて遣わす」

何気に乗り気の信長が
さらっと声を掛けて通り過ぎた

「……」

「どうした佐助?」

政宗に顔を覗き込まれて
我に返る佐助

「すいません…
あの織田信長に
褒められるなんて…感動してました」

「佐助…先ずは
お前の首をへし折る」

謙信の腕が佐助に伸びる

「謙信様物騒な事
言ってないで行きますよ」

遮る様に幸村に
引っ張られる

先に向かった
信長を秀吉と三成が追い

その後を政宗が
家康を引っ張って歩き

その後で幸村に
引っ張られて行く謙信

顕如と光秀
信玄が取り残された

「皆さんは…どうしますか?」

流石に無理強いは
出来ないので
佐助が伺いをたてる

「俺たちは……」

「水遊びは御免被る」

「俺に構うな」

「そう仰るかなと思い
手は打ちました」

「ほう…その手とは?」

光秀が薄笑いを浮かべ
真偽の分からぬ顔を見せる

「あちらのテント…天幕に
甘味 酒など至極の一品を
用意してございます」

まるでホテルの
コンシェルジュ宛らに
恭しく頭を下げる佐助

「それはいい…顕如…明智殿
天女を眺めながら酒でも飲もう」

信玄が
大きな手で二人を掴み
佐助の言う天幕に向けて歩き出した

「おい…俺は僧侶だぞ」

「今さら何を馬鹿な
行くぞ昔話でもするか」

「私はご一緒させて頂いて光栄だ」

光秀がにこやかに微笑み
三人は天幕へ消えて行った
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