第14章 ピックアップ御礼記念~真夏の戦国武将~
「忍仲間と苦労して作った
サーフボードです!」
『……』
「無言って…皆さん何か反応下さい」
「あの…波に乗って遊ぶんです!」
白雪が補足する
「何の意味があるの…それ」
「家康さん辺りに
言われると思って
理由もばっちり熟孝済みです」
冷めた顔の家康に
佐助が自信に満ちた顔で
説明を開始する
「波上という
不安定極まりない場所で
身体を安定させ更には
自らの思い通りに動くのは
至難の技…馬より難しく
鍛練に持って来いです!」
「…なるほど
言われてみればそうですね
秀吉様…是非とも
参加させて頂きましょう」
「…これでどう波に乗る?」
信長が興味を引かれ
サーフボードを模した板を持ち上げる
「流石です信長様…これは…
こう波の上に浮かべ
その上に立上がり
波の上を滑るのです
因みに…佐助と申します」
「ほう…」
「そんなことが出来るのか?」
砂浜で真似してして見せる佐助を
秀吉が訝しげに見ると
白雪が笑顔で答えた
「出来ますよ!500年後は
女性もやってますから」
「…女子に出来るなら
我らに出来ぬ筈もない
…試すまでもなかろう」
興味無さげに
立ち去ろうとする謙信
「謙信様は泳げるんですか?」
色白で細身の謙信に
夏は似合わない気がして
何となく白雪が質問すると…
「…佐助…それを貸せ
愚弄されて引き下がる俺ではないぞ」
「えっ?」
「白雪さん…意図は違うけど
結果的に謙信様のやる気に
火を付ける事に成功したようだ
…グッジョブ‼」
「あっ…うっうん?」
「面白そうだな…
おい幸村!勝負しようぜ!」
「おー独眼竜!吠え面かかせてやる」
「なんだ幸いつの間に
独眼竜と親しくなった?」
信玄が幸村の肩を抱く
「べっ別に親しくねぇ…
前に佐助を京まで送った時
一緒だったってだけだ」
「ほぅ…初耳だな
そういう仕事は
俺の専門分野かと思ったが」
敵の武将同士が
共に旅をしたと聞き
光秀がニヤリと笑う
「お前と一緒にすんな
ただ京までの数日を一緒に
過ごしただけだ…な?幸村」
「おー!下世話な勘ぐりは
しないで貰うぞ」
「何だかんだで仲がいい」
「「佐助!」」
「余計な一言だった…」
二人に同時に睨まれて真顔で
反省する佐助