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イケメン戦国~捕らわれた心~

第14章 ピックアップ御礼記念~真夏の戦国武将~


とある島の
とある海辺

名だたる戦国武将が顔を揃え
睨み合っている

ただ一人
嬉しげに
微笑む女を除いては…

「白雪…どういうことだ」

信長の低い声が浜辺に響く

「謙信との戦の続きを
ここでしようってのか?」

政宗が刀に手を置き
臨戦態勢をとる

「ほう…またも女連れとは…
この俺も舐められた物だな」

謙信が優雅に鶴姫を抜き放つ

「独眼竜…その天女は
俺への貢ぎ物か?」

信玄が目を細めて
白雪の全身を眺める

「っ…おいっ!
白雪を変な目で見るんじゃない!」

秀吉が慌てて白雪を背に隠す

「ほう…信玄殿には酒より
白雪が利くとは発見だ」

「おいっ!光秀お前なにを企んでる?」

再び慌てて光秀から
白雪を遠ざける秀吉

「白雪様は確かに
天女のごとき美しさですが
本物の人間ですよ」

「三成黙って…」

家康が三成を横目で睨む

「あんたも
余計なこと言わないで下さい」

「余計な事とはなんだ
麗しい天女に
向かって失礼だぞ」

幸村にたしなめられても
信玄はどこ吹く風で
風に流れる白雪の髪を
眩しげに眺める

「お前は相変わらずだな…」

呆れたように溜息まじりに
信玄をながめる

「おや…誰かと思えば顕如か」

「女の尻を追わんと居れんのか」

「お前もたまには
追ってみるといい」

「遠慮する」

「御託はいい…はよう抜け」

すぐにでも戦いたい謙信は
織田軍に切っ先を向ける

「謙信様…どうどう…」

「佐助っ!どうなってる?」

幸村が佐助に
掴み掛かる勢いで問い詰める

「夏休みの思い出作りです」

『 はぁぁ? 』

白雪を除く全員が声を揃えた

「お盆休み!戦もお休み!ね?」

白雪の輝く様な笑顔に
男達の戦意が萎んでいく

「…つまらん…帰るぞ」

踵をかえす謙信

「そう言うと思ったので
あれこれ白雪さんと考えて
趣向を凝らしてみました」

「なに?佐助…お前天女と
連絡を取り合っていたのか?」

「…たった一人の
現代仲間ですから」

「おいっ忍!勝手な事するな
白雪は…織田軍の人間だ」

「ふっ…白雪は…の後に間があったな
本当は何と言いたかったのだ?」

光秀がからかう様に秀吉を笑う

「なっ…なにも」

「お盆休みの間は
戦も過去も未来も忘れて
今だけを楽しみましょう!」

白雪が一際大きい声で宣言した
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