第13章 十月十日
「どんな時も諦めなくて
冷静で頭も良くて
銃で撃たれても
片腕で戦っちゃうし
泳ぎも達者で…筆まめで…
それから…」
「くっくっ…
分かったからもう黙れ」
肩を揺らして笑う
政宗は白雪の唇を
唇で塞いで黙らせる
「あっ…」
深く口付けると
白雪がカクンと膝を折る
政宗が抱き留めて
そのまま畳に縫い止める
ハラハラと
政宗の手から
緋影から受け取った
文が畳に落ちた
安土からの文には
嫁入りに白雪の為に
仕立てた道具の一覧と
白雪お付の女中を
数名安土から送るとあったが
忙しくなった二人が
文に眼を通したのは
それから数刻後の事だった