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イケメン戦国~捕らわれた心~

第12章 織田家の姫君


白雪達の去った広間で
男達が膝を付き合わす

信長は脇息に凭れたままの
姿勢で政宗へ視線を向けた

「久しぶりに色濃い
殺気を感じたものだ…
政宗よ…俺が本当に白雪を
所望したら如何とする?」

「白雪は渡せません
必ず青葉に連れて帰ります」

先程までとは
うって変わり

余裕を取り戻した政宗が
不敵な笑いで返す

「力尽くで止めると申すか」

信長も愉しげに
言葉を返す

「はい どうあっても
止めてみせます」

笑みを浮かべたまま
応える政宗に

信長は先程の
余裕なき姿を思い返す

「貴様が余裕をなくし
ああも容易く
本心を剥き出すとはな」

意外そうに
そう告げると

横から光秀が口を挟む

「それだけ白雪に
執心という事でしょう
…また白雪とて」

先程の蒼白ながらも
毅然とした白雪を思う

「あやつは
お前と赤子の為ならば
何をも犠牲にするだろう
例え己の心に背こうとも…」

政宗が眉間にシワを刻み
難しい顔で頷いた

「相応の覚悟を決めた」

「お前が父親とは…」

信じられないという顔の
秀吉をみて光秀が笑う

「いずれ皆そうなろう」

「…そうだな」

各々が未来の自分を思い
武将としての
己の仕事を改めて思う

白雪不在の一年で
日ノ本国の殆どは
織田軍の配下になるか
同盟国として同盟を組んだ

恐らく近い将来
天下は統一される

そうなれば戦は無くなり
武将として戦う事も
なくなるだろう

政務をこなし
領民の為の
国作りが始まる

皆が望む未来が
すぐそこまで来ていた

「白雪は自分が
信長様を助けた事で
未来が変わったと言った」

政宗が静かに話す

「ならば自分の行動で
未来は変えられると言う事だ

つまらん争いで
失われる命をなくし

雨風が凌げる部屋で
温かい飯をくって寝る

そんな当たり前の事が
当たり前に続く未来を
俺達の子供に与えてやろう」

皆が暖かな思いを胸に宿す

「案ずるな政宗
この俺が約束してやる
その当たり前が続く未来をな」

信長が自信に
満ちた瞳で皆を見る

新たな命の息吹を感じ
己の指名を再び強く
心に刻む武将達だった









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