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イケメン戦国~捕らわれた心~

第4章 隻眼の龍


空が茜に染まる頃
信長の滞在する御殿に向かう


白雪が光と共に
空中から現れた事は
家臣や僧侶達により
あっという間に広がり


本能寺の敷地を一度出ると
天女見たさに集まった
人々の視線が一気に白雪集まった


その美しさに
その場の誰もが息を呑む


羨望の眼差しを受け
自尊心の擽られる政宗と
どうにも居心地悪い白雪


それは
御殿に着いてからも
変わる事なく
家臣や女中までもが
白雪をチラチラと盗み見る


広間に通されると居並ぶ
武将達までもが同じ反応を示す


政宗は自慢したいような
隠して自分だけで
愛でたいような
なんとも言えない気分で


白雪の手を引き
皆の前に座らせた


今朝信長より届けられた
艶やかな晴れ着に身を包む白雪


唇に引かれた鮮やかな紅は
白い肌を一層際立たせ
見る者を魅了する


「ほぅ…孫にも衣装か」
光秀がからかうように低く笑う


一瞬驚いた表情を見せるも
ふぃと顔を背け黙りこむ家康


「本当に よく似合ってる
信長様の御見立てだ!
有り難く頂戴しろよ!」


飾り立てた妹を愛でるように
優しく笑う秀吉


「呉服屋を呼び寄せて
本日の白雪様の御召し物をと
信長様自らお選びになられたのですが…
さすがですね…本当に御美しいです」


秀吉の言葉に補足を入れ
にこりと頬笑む三成


白雪はその言葉に
目を丸くして
信長を仰ぎ見る


「えっ!信長様が?」


「相変わらずの百面相だな」


脇息に凭れながら
愉しそうに白雪をみる


「で何か言うことはないのか?」


片方の眉をあげ
口を歪ませるように
笑いながら問う信長に
はっとして頭を下げ


「あっ有り難うございます!
ご心配をお掛けした上に頂き物まで…」


慌てて言葉を紡ぎ出す


「口先での礼など不要だ…」


不意に腕を掴まれ
信長の顔がぐっと近付いた


「今宵一晩
夜伽をしろ
勝手に不在にした罰だ」


「えっ!
おっ…お断り致します!」


「なに?」


「あっあの…私が肌を許すのは
産まれてから死ぬまでに
一人と決めておりますので」


口をついて出た
自らの言葉に顔に熱が集まる

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