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イケメン戦国~捕らわれた心~

第12章 織田家の姫君


夜風に肌寒さを
感じるようになった頃
青葉城の一室


「信長様が?」

「あぁ 必ずお前も一緒にと」

「どうしてかな?」

「さぁな……」

安土の面々に
婚儀の知らせを出して暫くすると

安土集結の知らせが入った
ただ一つ不自然なのは
必ず白雪を連れて来いと
添えられた一文

「久しぶりに皆に逢えるね」

呑気な顔で喜ぶ白雪だが
政宗は心中穏やかでない

(戦か領地の話し以外で
集まるなど皆無だったが
白雪が一緒となると…そうも思えない
信長様……どういうつもりで…)

うじうじ考えるのも性に合わないと
それ以上考えるのを止める

「まぁ 行ってみれば分かるか……」

「え?なぁに?」

「ふっ…何でもない」

「冬に入るとこっちは
寒さが厳しいからな…
野暮用は早いとこ済ませた方がいい」

「数日中に出発するから
そのつもりでいろ」

「うん……ねぇ政宗」

「どうした?」

探るような言い方に
顔を向けると
白雪は不安そうな表情で
政宗を仰ぎ見る

「また数日かけての移動だよね?」

「あぁ…お前篭で行くか?」

「ううん 政宗の馬がいい…ただ」

「なんだ?」

「喜多さんに一緒に来て貰えないかな?」

(あぁ 男達との旅が…不安なのか…)

「安心しろ
最初からそのつもりだ」

考えていた訳ではないが
安心させたくてそう言った

「そうなの?よかったぁ」

白雪は肩の力を抜いて
長い溜息をつき 安心した様に見える

(やっぱり…まだ怖いか…無理もないが)

後で喜多と話しを付ける事にして
白雪の肩を抱いた

「無理しなくてもいいんだぞ」

「信長様には俺から話しをして…」

「ううん 大丈夫!
少し不安だったけど
喜多さんと一緒なら
政宗が忙しくても大丈夫だし」

政宗の肩に頭を預けて
甘える様に身体を寄せる

「せっかくだから
皆の顔も見たいの……それに」

細い腕が そっと政宗の背に回される

「離れたくない……」

「っ…」

乞うような眼差しを向けられ
身体の中心から熱が溢れだす

「お前…そんな可愛いこと言って
ただで済むと思うなよ」

背中に置かれた小さな手が
ぎゅっと 政宗の着物を握りしめる

「思って…ないよ」

「覚悟のうえか?」

後頭部を抱える様にして
顔を引き寄せると
眼を閉じてされるがままに
身を預ける白雪
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