第12章 織田家の姫君
「…いい心掛けだ」
畳に艶やかな髪を広げ
細い身体を投げたし
全てを捧げる白雪
つぅ…と指で頬をなぞる
瞼に唇に耳に
ひとつ ひとつ
自分のものである事を
確認する様に口付ける
「んっ……っふ……」
髪の一本
爪の一枚まで愛おしい
「ま…さむね…大好き」
「愛してる…」
唇と唇が
柔らかく触れ合う
ちゅっ…くちゅ…ちゅっ
絡み合う 舌と舌が
理性を溶かし 甘い声を響かせる
「んっ……はっ……んんっ……」
触れた先から
痺れるように
快感が身体を貫いていく
すがり付く
白雪の手を
畳に縫い付けて
首筋に
甘く噛みつく
「ふぁっ……」
ビクンと躯を弾ませて
膝を擦り合わせる
「っ…ふっ……可愛い反応」
裾を割って
太腿を撫で上げ
もう一方の手で帯を解く
両手で着物の左右の衿を掴み
贈り物の包みをほどく様に
ゆっくりと
全てを眼下に晒した
「っ…やぁっ……」
羞じらう顔が
政宗の狂熱を誘い
まるで極上の絹を
広げたかの様な白雪の裸体に
揺らめく行灯の光が影を写す
「……綺麗だ」
潤んだ瞳
濡れた唇
肩まで真っ直ぐ伸びる鎖骨
豊な乳房は
重力によって左右に流れ
淡色の頂が
ツンと立ち上がる
うっすらと
透ける肋骨
窪んだ鳩尾
えぐれた脇腹
小さな縦穴を作る臍
白く滑らかな
恥丘はぴったりと
閉じられ
すらりと流れる
二本の脚も
同じ様に
ぴったりと膝を合せ
閉じられている
指先で視線を辿りながら
白雪の躯を
なぞっていく
「…あっ……んんっ…っふ……」
幾度となく
そうしてきたというのに
興奮に胸が高鳴り
喘ぐ様に呼吸する
何度抱いても
抱き足りない
いつも いつも
じっくりと躯を目に焼き付け
その身を味わい尽くしたいのに
身体の中心では
男根が痛いほど猛り狂い
性急に事を運びたい
衝動に負けてしまう
今夜こそはとこんとん
甘やかしゆっくりと
花開かせてやる
自らも夜着を落とし
鍛え抜かれた肌を晒す
白雪が声にならない
声をあげ息を呑む
そっと
細い指が政宗の胸に触れた
「っ…なんだ…見惚れたか?」
余裕ぶって笑うと
恋情の籠った眼差しで返される
「…うん…すごく…格好よくて
…胸がドキドキする…」
「っ…」
白雪の素直な物言いに
言葉を詰まらせた
「触ってもいい?」