第34章 10年越しの告白
意識を飛ばした翔さんのナカで熱を吐き出した。
「ごめんね、翔さん」
気を失ってる翔さんを腕の中に抱き上げた。
ここまでやるつもりなかったんだけど、止まれなかった。
翔さんの口からはじめて聞けた『好き』って言葉。半強制的ではあったけど、それでも今まで一度も言ってくれなかったから、その言葉が聞けてつい興奮しちゃったよ。
「今度はエッチしてないときに聞かせてよ?」
翔さんの額にキスを落とすと翔さんの瞼がゆっくりと開いた。
「ん…じゅ、ん?」
「大丈夫?翔さん」
「うん、大丈夫…」
翔さんの乱れた前髪を撫で上げると気持ち良さそうに目を閉じた。
「お風呂入る?体キツければ濡れタオル持ってくるよ?」
体が汗と翔さんが吐き出した熱でベトベトだ。
「風呂入りたい」
「じゃあ、連れてってあげるね」
「うん、よろしく」
翔さんが腕を俺の首に回した。翔さんを抱いて風呂場に向かう。
翔さんを胸に寄りかからせ湯船に入ると翔さんが俺を見上げた。
「なぁ、潤…」
「ん、なに?」
「ご褒美、満足してくれた?」
「うん、満足したよ?なんで?」
「だって、俺、意識飛ばしちゃっただろ?潤まだ足りないって言ってたから…」
「あれだけ好きって言って貰えれば十分だよ」
好きな人と交わることがこんなに幸せなことだって知ることが出来たのは相手が翔さんだから。
何年追ってたかなんてほんとはどうでもいいんだ。こんなに素敵な翔さんを手に入れたことがもう最高のご褒美なんだから。
「潤…」
「ん?」
「これからも一緒にいてくれる?」
「当たり前でしょ、俺の10年間の想いはそんな柔なもんじゃないからね」
「うん、ありがと…」
翔さんは向きをかえ膝立ちになると俺の肩に手を置いた。
「潤…」
俺を見下ろす澄んだ瞳は俺の心を捕らえて離さない。
俺は翔さんの腰に腕を回し抱きしめた。
「なに?」
「…愛してる」
10年越しの告白は永遠にあなたから離れられなくなる魔法の言葉。
「俺も…あなたを永遠に愛してる…」
End