第34章 10年越しの告白
「大丈夫?」
呼吸を止めて痛みに耐えていたのか目を閉じ大きく息をする翔さん。
「ん、大丈夫…」
「ごめんね」
俺が謝ると瞼を開き不思議そうな表情を見せた。
「なんでお前が謝るの?」
「だって痛いの我慢してたんでしょ?」
「あ~、うん…でも大丈夫。痛み忘れるくらい気持ちよくしてくれればいいよ」
ニコッと笑顔を見せるけど…もぉ、この人って天然?それともわざと?
健気に痛みに耐えて、しかもこんな煽るようなセリフを言われたら頑張らないと男が廃るでしょ。
「嫌ってほど気持ちよくしてあげる」
翔さんを抱きしめ囁くと翔さんのナカがキュッと絞まった。
「ナカ絞まったね…期待してくれたの?」
「だからそういうこと言うな、バカっ…」
真っ赤に顔を染めてほんと可愛らしい。
俺は両手を翔さんの身体の脇につき、ゆっくりと腰を動かした。
「あっ」
翔さんの身体が跳ねた。
「痛い?」
目を伏せ首を横に振った。
「また我慢してんじゃないの?」
「してない…」
目を伏せたままそう答えるから心配になる。
動きを止めると俺を上目使いで見上げた。
「なんでやめんの?」
「翔さんが嘘ついてんじゃないかと思って」
「嘘なんかついてない…」
「じゃあなんでこっち見て答えなかったの?」
「だって………」
「だって?」
「気持ち良かったから…初めてなのに気持ちいいなんておかしいだろ…」
「おかしくなんてないよ。気持ちよくして欲しいんでしょ?だったら感じたまま表現して?
じゃないと俺も初めてだからわかんないし、ちゃんと出来てるのか心配になる」
なんて嘘だけどね?ほんとは気持ちよくなってる翔さんを見たいだけ。
「うん…わかった」
真剣な表情でそう答える。翔さんって俺以上に真面目だよね…