第33章 シルキー
そんなふたりのやり取りを見ていたら翔が俺に腕を絡ませてきた。
「智は?智も気持ちいい?」
「ん、いつも言ってるだろ?最高に気持ちいいよ」
「よかった…」
嬉しそうな笑顔を見せる翔。
「見せつけるねぇ」
「いいだろ?今まで散々見せつけてたの潤たちじゃん」
翔がぎゅっと俺の腕にしがみつく。
「あれ?もしかして悔しかったの?」
「別に悔しくないよ、ほんとに恋とかどうでも良かったし…今だって特に見せつける気はないよ?ただ智がいるから触りたくなっちゃうんだもん」
「触りたくなっちゃうのは翔さんの方なんだ…」
「そうだよ、智は気持ちいいんだから」
「気持ちいいの?気持ちよくして貰ってるんじゃなくて?」
潤くんがニヤニヤしてそう聞くと翔は顔を真っ赤に染めた。
「なっ、なにバカなことっ…」
「ははっ、やっぱそうなんだ、わかりやすっ」
「翔さん照れちゃって可愛い~」
「もうっ、人のことバカにしてっ!」
「バカになんかしてないよ。俺もいつも潤くんに気持ちよくして貰ってるしぃ。気持ちよくして貰った方がお肌もスベスベよ?」
「じゃあカズの美肌の為に今日も頑張っちゃおうかなぁ」
「うん、頑張っちゃって?」
妖しげな雰囲気を醸し出してきたふたり。
「そんなことよりもっ、ふたりとも何しに来たんだよ」
「あぁ、カズが最近翔さんが惜しみなくフェロモン垂れ流しにしてるって言うから様子見に来たんだけど、理由わかったからもう帰るわ。早くカズのこと気持ちよくしてやらないとな」
「やだぁ、潤くんってばぁ~、でも早く帰ろ?翔さんも早く帰りたそうだしぃ」
「だな。じゃあまた来るね」
ふたりが店を出ていくと翔が俺の腕をクイクイと引っ張った。
「ん?どうした?」
「俺たちも帰ろ?」
「なに?誘ってるの?」
「そうだよ…早く智に触れてほしいもん」
「ふふっ、翔が望むならいくらでも…」
言われるまでもない。言葉で誘われなくったって翔はいつも甘い香りとシルクのような滑らかな肌で俺を誘惑する。
最高に可愛くて最高に抱き心地のいい俺の恋人…
今夜もその美肌維持の為にた~っぷり愛し合おうな。
End