第33章 シルキー
それからの俺はというと…仕事帰りにほぼ毎日翔の店に寄るようになった。
「おかえりなさい」
店に入ると翔が笑顔で迎えてくれる。これだけでも一日の疲れが取れるようだ…でも客がいないときは更に俺は翔に近付き手を伸ばす。
「ただいま」
翔の頬に触れぷるぷるの唇にキスをする。これで俺は一気に癒される。
「あらあらあら…」
「おやおやおや…」
俺の背後から声が聞こえ慌てて翔から離れた。
「潤、カズくん…」
振り返ると腕を組んだ潤くんとカズさんがニヤニヤしながら立っていた。
「翔さん、ここ最近一段と綺麗になったと思ったけどそういうこと」
「いや~めでたい。めでたいけどさぁ、店でそういうことしちゃうなんてさぁ、お客さんに見られたらどうすんの?」
「だって…もう7時過ぎてるし…」
少し剥れた感じで翔が言うけど時計を見ると7時を丁度過ぎたくらい。
「いや、今でしょ過ぎたの」
潤くんが苦笑した。
「今まで仕事しか興味なかったのにねぇ。変われば変わるもんだ…でもまぁ良かった、そのつるっつるのお肌が宝の持ち腐れにならなくて」
「だよなぁ、こ~んな気持ちいい物放置しとくなんて勿体ない」
潤くんがカズさんの肌を撫でる。
「あ、ん…もぉ潤くんてば、駄目だってぇ」
そう言いつつもやはり嬉しそうなカズさん。