第33章 シルキー
俯き頬を紅く染める櫻井さんはまた一段と可憐に見える。
「昨日一目見たときから綺麗な人だと思ったよ…」
櫻井さんの頬に手を伸ばしそっと手のひらで包んだ。
「大野さん?」
「だから昨日も…そして今も触れたくなった…」
親指をすっと動かし頬を撫でそのまま親指で唇をなぞった。
「あ…」
「唇もね、艶々してて…きっと触れたら気持ちいいんだろうな、って思ってた…」
「…どうですか?触れてみて…」
俺の指に掛かる櫻井さんの息が熱くて…
俺を見つめる櫻井さんの瞳も熱くて…
「指じゃ、よくわからないな…」
そう言うと櫻井さんはゆっくりと瞼を閉じた。
俺は左手をテーブルにつき身を乗り出すと唇に触れていた指を顎にずらし空いたそこに俺の唇を押し当てた。
「んっ…」
櫻井さんの熱くて甘い吐息…そしてしっとりと吸い付くような唇…啄むように何度も感触を確認してから離れた。
瞼を開いた櫻井さんは潤んだ瞳で俺を見る。
「…どう、でした?」
「最高に気持ちいい…」
嬉しそうに微笑むその表情がさっきまで見ていた可愛らしさとは違って大人の艶を放つ。
「もっと触れたいな…」
櫻井さんが微笑んで頷いてくれた。
俺はテーブルを押し退け櫻井さんに近付くと櫻井さんは再び瞼を閉じた。
唇を合わせ舌で櫻井さんの唇に触れると櫻井さんの唇は開かれた。
そのまま舌を侵入させ櫻井さんの舌を追う。
舌が触れあうとお互いに絡ませ合った。
「んっ…ん…」
こんなに気持ちいいキス初めてだ…貪り合うキスにドキドキが止まらない。
櫻井さんの手が俺の肩に添えられ、俺の腕は櫻井さんの腰を抱き寄せた。