第31章 future of hope
食事を終え取っておいた部屋に移動した。
スイートルームなだけあって高級感漂う内装。
フロントで預けた翔ちゃんから貰ったブーケも花瓶に差してあった。
部屋の中を見て回るくとベッドはキングサイズだし、風呂もデカい…いったい一泊いくらするんだ?
あのレストランから想像は出来ていたけどこの部屋からの眺めも絶景だった。
真っ暗な闇にライトによって造り出される世界…
「凄い、綺麗だねぇ…」
「会社のビルもここまで高くないからね、上から見るだけで全然違う」
「うん…高かっただろ?この部屋」
「ん?まぁ、そこそこ?でも普段家に閉じ籠ってばかりだし、特別な日くらい奮発しないとね?」
確かに普段どこかに行くわけでもないし、金の掛かる趣味があるわけでもない…でも
「このドレスだって買ったんだろ?」
「あ~、買ったけど…ごめん、それはネットで買った中古品」
「そうなの?別にいいんだけどね、一度しか着ないだろうし」
むしろ中古品で良かったよ…
「今日の結婚式に間に合うように慌てて探して買ったからそこまでの予算はなかった」
「ふふっ、十分だよ…それに参列するのドレスじゃなくてスーツとかでも良かったんじゃないの?」
「それは駄目…大野さんだけにいい思いさせたくないし、それに参列側にも華があった方がいいでしょ?」
「そうかぁ?主役は翔ちゃんなんだから翔ちゃんだけでも良かったんじゃないの?」
「まぁ、結局は俺が着せたかっただけなんだけどね。
でもそのせいであの松岡って人にキスされちゃったからなぁ…そこは計算外だった」
「キスって…手の甲だよ?キスのうちに入らないでしょ」
「わかってないなぁ、カズさんは…
手の甲だろうと足の甲だろうとカズさんの身体に触れられるのは嫌なのっ」
もしかして雅紀、ヤキモチ妬いてる?
こんなに不機嫌さを出すのなんて…ちょっとと言うかだいぶ嬉しいかも。