第30章 年下のオトコノコ♪
「なに飲む?」
「櫻井さんと同じものでいいです」
「いいよ合わせなくて、好きなの頼みなよ」
「じゃあ、フラペチーノ」
フラペチーノってこの甘そうなやつ?
「智くん甘いの好きなんだ」
「はい、よくスイーツとかも食べますよ」
おぉ、今はやりのスイーツ男子ってやつか。
「買ってくるからどこか適当に座ってて」
「はい」
智くんの分のフラペチーノと自分のアイスカフェラテを購入し智くんの座る席に向かった。
「お待たせ、はいどうぞ…」
フラペチーノを差し出すと嬉しそうに受けとる智くん。
「ありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」
ストローをくわえコクコクと飲む智くんの姿をこちらもストローをくわえたまま見つめてしまった。
「はぁ~」
満足そうに息を吐く智くん。
「それ美味しいの?」
「はい、美味しいですよ?」
「そうなんだ、俺飲んだことないんだよね、それ」
「飲んでみます?」
俺にフラペチーノを差し出す智くん。
「いいの?」
「はい、元々櫻井さんが買ってくれたものだし」
「そっか、じゃあ遠慮なく。あ、俺のカフェラテだけどよかったら飲む?」
俺も同じように智くんに差し出した。
「え、あ、はい…」
少し躊躇うようにカフェラテを受け取った智くん。
俺は智くんから受け取ったフラペチーノを啜った。
「うん、うまっ!」
「でしょ?」
嬉しそうに微笑む智くん。
「あれ?智くん飲まないの?」
俺が渡したカフェラテを置いたまま飲んだ形跡がない。
「あっ、えと、飲みます…」
恥ずかしそうに頬を染めゆっくりとストローに口をつけた。
チュッと吸うとすぐに口を離す。
「そんな少しでいいの?俺結構飲んじゃったけど」
「はい…大丈夫です」