第29章 可愛いアナタ
触れるだけのキスをして、また翔ちゃんの顔を見れば不満顔をしている。
「雅紀のお詫びの気持ちはそんなもん?そんなんで許して貰おうと思ってるの?」
「駄目だった?」
「ダメ!全然足りない」
「どのくらいすれば許してくれるの?」
「少なくともさっき菊池の前でしたのと同じくらいじゃなきゃ許さない」
「りょ~かい!翔ちゃんに嫌われたくないからね、翔ちゃんが許してくれるまで何度でもしちゃうよ」
「ふふっ、だったら一生許さない…」
妖艶な笑みを浮かべた翔ちゃん。子供っぽい表情だけじゃなくこんな色っぽい表情もするんだ。
翔ちゃんの頬に手を添えて顔を近づけていけば閉じられていく瞼と薄く開かれる唇…俺は遠慮なく翔ちゃんの咥内に舌を侵入させた。
「んっ…」
俺の舌に絡められる翔ちゃんの舌は甘くて熱くて特上のスイーツを食べてるみたい。
翔ちゃんの漏らす吐息も甘くてこんなに甘いモノがこの世に存在するんだと初めて知った。
この先の翔ちゃんはもっと甘いのかな…
翔ちゃんの首筋に舌を這わせると翔ちゃんからもっと甘い声が聞こえた。
「あっ、ん…ま、さき…」
俺の首に回っていた翔ちゃんの手が、今度は俺の頭を抱え込む。この先進んでもいいの?
翔ちゃんの顔を見上げると蕩けるような表情で俺を見つめる翔ちゃんと目が合った。
それって誘ってるよね?
翔ちゃんの洋服の裾から手を侵入させ素肌に触れるとビクッと身体を震わせた。
「はっ…あ…ん…」
漏れる吐息は益々色を含む。