第28章 forever
「それにしてもさぁ、一言くらい連絡してから来いよ。
翔ちゃんが都合付かなかったらどうするつもりだったの?」
雅紀が呆れ気味に言うと潤は事も無げに言った。
「一週間も居るんだから一日くらい都合つけさせたよ。旧友が帰ってきてるんだぞ?翔だったら他に予定があっても何とかしてくれるだろ?」
「はぁ~、ほんと相変わらずの強引さだな…少しは相手のこと考えろよ」
「別にお前に迷惑は掛けてないだろ?今日だって翔に勝手に付いて来たんじゃないか」
「お前と翔ちゃんふたりきりにさせられないだろ」
「なんだよ…お前、翔のこと諦めたんだから関係ないだろ?それともなにか?恋人がいるクセに翔のこと諦めきれてないのか?」
「潤やめてよ。雅紀は恋人のことちゃんと大切にしてるよ?俺のことなんて何とも思ってないから」
雅紀が二宮さんのことを何よりも優先させてるのは知ってる。それをそんな風に誤解して欲しくない。
確かに雅紀にはいつも助けられてるけど、それはあくまでも友情から来るものだし。
「翔がそう思ってるだけかも知れないだろ?内心まだ翔のこと狙ってるのかも」
「ほんと疑り深いなぁ…俺はとっくに諦めてるって。今はカズさん一筋だもん」
「ふ~ん、雅紀の恋人カズさんって言うんだ。一度会わせてよ。
雅紀の事だから可愛い人選んだんだろ?」
ニヤっと笑う潤に対し雅紀は『べぇ』っと舌を出した。
「勿体なくてお前には会わせられないよ」
「ケチくさ…ほんとは大したことないんだろ。
まぁ、所詮翔には劣るだろうしな」
「そんなことないよ、二宮さんは凄く可愛い人だよ?雅紀、写真くらい見せてあげたら?」
二宮さんが馬鹿にされるのはなんだか悔しい。