第26章 What is your dream ? #9
身体に力が入らなくて智くんの腰に回していた腕がパタッと布団の上に落ちた。
智くんが心配そうに声を掛けてくれるけど、まともに答えることが出来ない。
俺の吐き出した熱を智くんが綺麗に拭き取ってくれたあと、パジャマまで着させてくれた。
使ってなかった方の布団に寝かされ、智くんは自分の身支度を整えるとバスタオルを片付けてくれた。
身体が怠くて何も出来ないことが申し訳ない。
片付けが終わると一緒に寝てくれると思ってた智くんがもう一組の布団に入ってしまった。
もっと智くんに触れていたいのに…智くんはそうは思ってくれないの?俺の想いって重いのかな?
そうは思っても寂しくて智くんに言ってしまった。
「…一緒に寝てくれないの?」
智くんはちょっと吃驚したみたいだけど、すぐに俺の布団に入ってきてくれた。
「狭くない?」
優しい笑顔で聞いてくれる。
「うん…狭くない」
ほんとはちょっと狭いけど、狭いくらいが丁度いい…だって智くんが抱きしめてくれるから。
翌朝身が覚めたときも智くんの腕の中にいた。
視線を上に上げると微笑む智くんと目があった。
「おはよ…身体大丈夫?」
少し怠さは残るけど心配させたくなくて
「うん、大丈夫」
って答えた。
だって合宿に来たのに練習に参加しない訳にいかない。それじゃ下級生に示しがつかないし、智くんに責任を感じさせたくないから。
着替えを済ませ居間に入ると元気に挨拶してくれた雅紀と松潤。ニノは挨拶をしてくれたけど頬をピンクに染め視線を外された。
なんで?夕べはお風呂で悩み相談してくれたのに。