第23章 What is your dream ? #6
「あ、そうだ、今日の夜、庭でバーベキューやるから手伝ってってばあちゃんが言ってた」
「ほんと?なら早く帰った方がいいね」
「そうだな、んじゃ今日の練習はこれまで、お疲れ!」
「お疲れさま」
「「「ありがとうございましたっ!」」」
大野さんに向かって3人で頭を下げた。言葉は大野さんの希望でタメ口だけど、やっぱり挨拶だけはちゃんとしないと気持ち悪い。
「さぁ、急ごう」
雅紀が集会所の鍵を閉め終わると雅紀が振り返る。翔さんと大野さんが頷き早足で歩き出した。俺もその後を追おうとしたけどカズが動き出さない。
「カズ?行くよ?」
「…え、あ、うん…」
なんだか元気がない?
「どうかした?具合でも悪い?」
「ううん…なんでもない…僕たちも急ご?」
そう言って微笑んではいるけどその笑顔に元気がないような…さっきまでなんともなかったよな?
気にはなったけどカズが歩き出したから俺もその後を付いていった。隣を歩くカズの様子を見ていてもやっぱり元気がない。いったいどうしたんだ?
お祖母ちゃん家に帰りバーベキューの準備に取り掛かるとカズもてきぱきと動いてるし顔色が悪いわけでもない。体調が悪いとかではなさそうだな。
バーベキューが始まったらちゃんと食べてるし、みんなと楽しそうに話してる。大丈夫そうだな、良かった。でもなんだったんだろう?
ある程度飯が食い終わりふと気が付くと大野さんと翔さんがふたり並んで縁側に座ってた。雅紀はお祖母ちゃんに呼ばれ家の中。
相変わらず甘い雰囲気醸し出してんなぁ、なんて思いながらふたりを見ていた俺に、隣に立つカズからまさかの質問がされた。
「潤くんもやっぱり翔さんみたいに綺麗な人が好きなの?」
は⁉なに言ってんだカズ?そう思ってカズの顔を見ると悲しそうな瞳で俺を見上げてた。
俺が翔さんを好きなんて、なんでそうなった?