第23章 What is your dream ? #6
《Jun's time》
カズと一緒にダンス部に入部。全く興味がなかったのに大野さんのダンスを観た俺はあっという間にダンスの虜。家でも動画を観たりするようになった。
入部して一週間たった頃、翔さんが大会に参加しようと言い出した。
「え?俺たちも出るの?」
「もちろん、5人で出るよ」
楽しみにする雅紀と不安そうなカズ。
「大丈夫だよ、カズ…雅紀よりカズの方がちゃんと踊れてるから」
「え?ホント?」
頭を撫でてやると嬉しそうに子犬の様な目で俺を見上げてくる。カズより背が高くなって良かった~。こんな可愛いカズを見られるんだから。
それはそうと最近…といっても出会ってからまだ二週間弱しか経ってないが、あのふたりがやたらと甘い空気を醸し出している。
見学に来たときはそこまでではなかったのに、この一週間くらいは『俺らがいるのわかってる?』って聞きたくなるくらい見詰め合っちゃってる時とかあるんだよなぁ。
正式に付き合い出したのか?
そんな事を考えてたら雅紀が
「あ~あ、またあのふたり…」
ボソッと呟いた。練習合間の休憩…踊った後はもちろん暑いし汗もかく。それなのにあのふたりはピタッと寄り添って座っていた。
しかも翔さんが笑顔で大野さんの顔の汗をタオルで拭いてあげている。拭かれている大野さんの表情はデレデレだ。
「なぁ雅紀、あのふたりってさぁ…」
「ん~?だと思うけどねぇ~」
やっぱそうか…でも雅紀はそんなふたりを見て何とも思わないのかな?
「雅紀はそっちに理解ある人?抵抗ないの?」
「え~?全然オッケーでしょ~。俺、みんながハッピーなら何でもオッケーよ?
松潤のことも応援してるからねぇ?」
サラッと言われドキッとした。カズのことバレてる?最初が最初だったしな…バレてても可笑しくないか。あのふたりのこと気付いてるくらいだし。
雅紀とも出会ってからまだ二週間しか経ってないけど、人の事をよく見てていいヤツだってのはわかったよ。