第21章 What is your dream ? #4
いつものようにふたりで過ごす放課後の屋上。ダンスの合間の休憩中に智くんに雅紀のことを話した。
「智くん、中学の時の後輩がね、この高校に入学してきたんだけどダンス同好会見学に来てくれるって」
「へ?同好会?いつから同好会になってたの?」
「え~、文化祭の後、手続きしたって言ったじゃん」
「そうだっけ?」
「言ったよ、とりあえず同好会で始めて人数が揃えば部活に出来るって」
「別に良かったのに…俺は翔くんがいてくれればそれだけで…」
なんて微笑まれたから顔が熱くなる。そんなこと言われたら勘違いしたくなっちゃうよ…そんなことあり得ないのにね…
「でもね、俺は智くんの踊りを多くの人に観て貰いたいの」
「俺は翔くんが俺のダンスを観て格好いいって言ってくれるだけで充分だよ?」
だから、勘違いしちゃうじゃん…もう、人の気も知らないで…
「とにかく俺は部にしたいの!いいよね?」
「翔くんがそこまで言うならいいけどさ…」
なんだか智くんが少し寂しそうに見えたけど俺の決意は固かった。だってこのままじゃ絶対勿体ないよ。
雅紀は約束通りふたりの友人を連れて見学に来てくれた。しかも入部してくれるって!
嬉しくて思わず雅紀に抱きついた。
他のふたりも入ってくれることになって部活に昇格出来るって喜んでたのに智くんはなんだか不機嫌そう。
そんなに嫌だったのかな…部に昇格するの。
なんだか余計なことをしてしまった気がしてきて…智くんに嫌われたかも、って思ったら悲しくなってきた。
3人が帰った後、智くんに恐る恐る聞いてみた。
「そんなに嫌だった?部になるの…」
「嫌じゃないよ…なんで?」
「だって、ずっと不機嫌そう…」
「あ~、だってそれは…」
苦笑いする智くんから語られたことは俺が想像したこともない内容だった。
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