第19章 What is your dream ? #2
《Jun's time》
俺とカズの歴史は俺が生まれた時から始まった。
親同士が友達で同じ病院で生まれた俺たち。
生まれたのはカズが2か月早かったけど俺が生まれた日、たまたま検診で病院にカズを連れてきていたカズの母さんがガラス張りの新生児室を覗いたら、生まれたばかりの俺が眠っていた。
それが俺とカズの初対面。
カズが言葉を覚えれば2か月後には俺が言葉を覚え、カズが歩き出せば2か月後には俺が歩き出す。
常にカズの後を追っていたせいか、カズは俺のことを弟のように世話してくれた。でも、俺はカズのことを兄貴と思ったことは一度もない。
自慢じゃないが幼稚園の頃からよくモテた俺。
バレンタインデーにはクラスの女子全員からチョコをもらった。でも、俺は全然嬉しくない。
「ねぇママ、なんでカズくんはボクにチョコレートくれないの?」
そう母さんに質問すると母さんはちょっと驚いたけど優しく微笑んで
「潤はほんとにカズくんのこと好きなのね?」
「うん!だーいすきだよ!ボク、大きくなったらカズくんをおよめさんにするの!」
「そっか、だったらカズくんを守れるくらい大きな男にならないとね?」
そう言いながら頭を撫でてくれた。
その時から俺の目標はカズよりデカイ男になるになった。
カズが野球を始めれば一緒に始め、カズの為にキツいポジションのキャッチャーだって勝ち取ってやった。小学校の時、大会で優勝したした後
「一緒にプロ野球選手になろうな?」
カズとずっと一緒に居たくてプロポーズのつもりでそう告げると、カズは嬉しそうに笑って
「うん!」
って、言ってくれた。
心の中でガッツポーズした俺。
実際、カズが俺の気持ちをわかってそう答えてくれた訳ではないのはわかってる…それでもこれからもずっとカズと一緒にいられることが嬉しかった。
そう思っていたのに…