第18章 What is your dream ? #1
《Kaz's time》
「じゅ~んくんっ、お~は~よ~!」
小学校に入ってから僕の毎朝の日課は潤くんの家に潤くんを迎えに行くこと。
元々家が近所で親同士が仲が良くて、生まれた時からずっと一緒…いわゆる『幼馴染み』ってやつ。
「カズくんおはよう、いつもありがとねぇ、潤を迎えに来てくれて」
潤くんのお母さんが潤くんよりも先に玄関の外に出てきて僕に挨拶をする。これも毎朝のこと。
何故なら潤くんは朝起きるのが苦手で、出掛ける準備に時間が掛かるから。
「潤、まだ用意できないの?カズくん待ってるのよ?」
潤くんのお母さんが玄関のドアを開けて家の中に呼び掛ける。
「おばさん大丈夫だよ、僕早めに出てきたからまだ時間あるし」
「ほんとカズくんはしっかりしてるから助かるわぁ、これからも潤の面倒みてやってね?」
「うん、任せて!」
「おはよ、カズくん…待たせてごめんね?」
「大丈夫だよ、じゃあ行こうか?」
僕は潤くんに向かって手を出すと潤くんは嬉しそうにその手を握ってきた。
「おばさん、いってきます」
「いってきます」
「いってらっしゃい」
おばさんは手を振り笑顔で僕らを見送ってくれた。
僕と潤くんは手を繋いだまま学校に歩いて行った。
僕よりも小さくて女の子みたいに可愛い潤くん…僕がちゃんと面倒見てあげるからね?