第16章 sincerely
風呂場に戻り着替えとタオルを持って部屋に戻ると翔はソファーの上で横になってた。
「大丈夫か?」
翔の前にしゃがみこみ頭を撫でてやると閉じていた目を開きニコッと笑った。
「大丈夫です…ただちょっとのぼせちゃっただけだから」
「ごめん、風呂の中じゃ熱かったよな?」
「ふふっ、そうですね…智さん激しいし…」
頬をピンクに染めはにかむ表情がめっちゃ可愛い…さっきまで乱れていた人物と同じ人物に見えないんだけど…さっきは小悪魔、今は天使と言ったところか。
翔の頬に手を添えた。
「まだ熱い?」
「いいえ、もうだいぶ冷めました」
「じゃあもう一度熱くしていい?」
手を伸ばしまだ何の変化もない翔の中心をそっと包み込んだ。
「あっ、やっ…」
ビクッと身体を震わせ軽く腰を引く翔。
「嫌なの?」
翔の腕が俺の首に回り引き寄せられギュッと抱きつかれた。
「…嫌……じゃないです…」
少し甘えたような声で恥ずかしそうに耳元で囁く…間違いなく誘ってるよな?そのまま翔の身体を抱き上げるとベッドに移動した…そっとベッドに降ろすと上に覆い被さりキスをする。翔から甘い吐息が漏れると唇を離し翔の顔を見つめた。
「ほんとに誘い上手だな?いつの間にそんなワザ身に付けた?」
「え、ワザって?」
キョトンとした表情を見せる翔…だよな、全部無意識。こいつは思ったことを口に出してるだけでそこに意図はないんだ、だからこそたちが悪い。純粋で素直な気持ちを常にぶつけてくるからこっちも抑えが利かなくなる…理性なんてもう働かせてやれないからな。