第15章 愛のかたまり
お風呂から出ると丁度食事が運ばれてきた。
夜景を見ながら優雅に食事…なんて想像してたけど、翔くんは相変わらずの食べっぷりで
「翔くん、もっと味わって食べたら?」
頬っぺたパンパンにしてモグモグしている翔くん…さっきまでの男らしさは何処へやら…子供にしか見えないんだけど。
「ふふっ…」
「なんで笑ってるの?」
「さっきまでの翔くんとは別人だから」
「そう?どこが?」
「さっきまでは男らしくて、俺のこと包み込んでくれてたのに、今はまるで子供みたい」
「そっか…智はどっちの俺が好き?」
翔くんが真剣な顔をして聞いてきた。
「ん~、どっちも」
「どっちも?」
「うん、どっちも…男らしい翔くんも子供ぽい翔くんもどっちも好き…って言うか翔くんならどんな翔くんでも大好き」
そう言うと翔くんは嬉しそうに微笑んだ。
「今日の智はサンタだね」
「え?なんで?」
「俺に最高のプレゼントをくれたから」
「まだプレゼントあげてないよ?」
「もう貰ったよ?智の全てを貰った…」
「俺の全てって…」
「心と身体…両方最高の智を貰ったから、今の俺は世界一の幸せ者だ」
今、俺に向けてくれてる優しい笑顔…その笑顔を見る度に俺は翔くんに愛されてるって実感するんだ。
ねぇ翔くん、『愛』って相乗効果なんだね…翔くんから愛を受け、それに応えると翔くんは更に大きな愛で応えてくれる。幸せ過ぎて怖いと思ったけど、翔くんとならきっと大丈夫…ふたりの愛の塊は決して無くなったりしないから。
「翔くん…食事が終わったらさ、もう一度愛し合おうか…」
翔くんは最高の笑顔で応えてくれた。
fin