第15章 愛のかたまり
「感激?」
「うん、だって智いつも恥ずかしがって気持ちあまり出さないでしょ?でも今日の智は理性なくして俺のこと欲しがってくれた…普段もね、智の気持ちはわかってるんだよ?はにかむ顔とか見るとさ、今嬉しいんだなぁ、とか、怒ってても照れてるんだなぁ、とか…だけどさ、言葉にして貰えるのもいいもんだなぁ、って思ったりして」
「ごめんね、翔くん…俺言葉足らずだよね」
「ん~、まぁ俺に比べれば?でもそれが智でしょ?だから気にする必要はないよ」
「でも、翔くん物足りなくない?俺は毎日翔くんから『好き』って気持ち言葉にして貰ってるのに、俺翔くんに『好き』って伝えてないよね?」
「あ~、でもさぁ『好き』って言って貰えなくても智の視線とか仕草で『好き』の気持ちは伝わってるよ?だから無理して言葉にしようとか思わなくていいから…今日みたいに自然と出るときには出るんだからさ」
確かに何も考えずに言葉を発してた…
「たまにだから余計にありがたみがあるんだよ、だから智はそのままでいて?」
「いいの?今まで通りで」
「もちろん!それにさ、言わせ甲斐があるじゃん?智の理性なくさせるくらい気持ちよくさせれば言って貰えるんだから、云わばバロメーター的な?」
「そんなことバロメーターにするな、馬鹿…」
照れ臭くてまたそんな言い方をしてしまう俺…そんな俺の髪を撫でてる翔くんから優しい笑い声が聞こえた。