第13章 おいしいひととき
早速翔さんにオッケーが出たとLINEを送ると暫くしてから
『それじゃあ、よろしくお願いします
潤くんの仕事が終わったら連絡してください』
そう返信が届いた。
「お前、ほんとわかりやすいな」
大将が苦笑して俺を見ていた。
「へ?」
「顔、ニヤついてんぞ」
ヤベっ、さっき気を付けなきゃって思ったばかりなのに。
仕事が終わり大将から弁当を受け取った。
「少し多目に入れといたから、残ったら冷蔵庫に入れて明日の朝にでも食べて貰え」
「ありがとうございます」
「櫻井さんによろしくな」
「はい、じゃあお疲れっした」
俺は店を出るとすぐに翔さんに連絡した。
『仕事終わったよ
どうすればいい?』
すぐに既読が付き返信が届いた。
『昨日のコンビニで待っててくれる?もうすぐ着くから』
コンビニの前で待ってると翔さんが走ってくる姿が見えた。
「翔さん、走らなくていいから」
俺は翔さんに聞こえるようにそう声を掛けたのに翔さんはスピードを落とすことなく駆け寄ってきた。
うっすらと額に汗をかき、頬を紅く染める翔さん。
「ごめん、待たせたよね?」
「もお、走らなくっていいって言ったのに」
「でも、ただでさえ迷惑かけてるのに待たせる訳にいかないよ」
「いいんだよ、俺がやりたいからやってるんだから…翔さんの体の心配して弁当届けてるのに疲れさせちゃったら意味ないじゃん」
「あ、ごめん…」
翔さんが申し訳なさそうな顔をした。