第13章 おいしいひととき
「ん、はぁホンビヒほかにはるはは?」
頬っぺたいっぱいに食べ物を頬張って俺の質問に答えてくれるんだけど、その姿が小動物の様に可愛くてつい笑ってしまった。
「ぷっ!」
「はに?」
モゴモゴと口を動かす翔さんが俺を上目使いで見上げる。
心臓がドキッとなった。反則だろその目…思わず抱きしめるとこだったわ!
「潤くん?」
何も答えない俺に今度は小首を傾げ不思議そうに見つめた。トリプル攻めかよ!
はぁ~、この人大丈夫かな…すっげぇ無防備な気がするんだけど。まぁ、俺ぐらいなのか男相手に恋心抱くなんて…でも大将もさっきデレてたしなぁ。そっちの気がない人でもこの人ならありなんじゃないかな…
「潤くんてば、どうしたの?」
「あ!いや、何でもないよ」
「だってさっき笑ったよね?俺、なんか可笑しい?たまにご飯食べてると笑われるんだよね」
「あ~、うん、あのね、小動物みたいなんだよ翔さん」
「へ?小動物?」
「うん、頬っぺたパンパンにしてるからリスっぽくって可愛いんだよ」
そう言ったら翔さんの顔が紅く染まった。
「可愛い…俺が?」
「うん、すっげぇ可愛くて思わず笑っちゃった」
翔さんは俯いて正面を向くと
「年上をからかうんじゃないよ」
そう言ってご飯を食べ出した。その様子がまた可愛らしかったんだけど怒らせたくないし、これ以上は言わないでおこう。