第12章 gift
もうすぐ智さんの誕生日…
お祝いをしたいんだけど何をどうしたらいいのか全くわからない。
今まで誕生日を恋人と過ごすなんてことしたことないし…
普通は手料理でお祝いしたりするのかも知れないけど、俺たちの場合はほとんど毎日一緒に料理しちゃってるからサプライズ感もあまりない…
どうしよう…
誰かに相談するって言ってもなぁ、こんな話できるのなんてあのふたりくらいしかいないんだけど。
「翔ちゃん、何か悩み事?仕事進んでないよ?」
相変わらず二宮さんは鋭いなぁ…
「あの、二宮さんは誕生日とかってどうやってお祝いされたら嬉しいですか?」
「あ~、もうすぐ智の誕生日だね?それでかぁ…ん~、俺ならお金貰えれば嬉しいけど、後はゲームソフト?」
…二宮さんじゃ参考にならなかったか…
「俺の意見じゃ参考にならないって思ったでしょ?」
「え、あ、いえ…そんなこと…」
二宮さんってほんと鋭すぎ。
「翔ちゃんってほんとに素直だねぇ、顔に書いてあるよ…まぁ、確かに俺の意見は大抵却下されるけどね?雅紀に聞いてみれば?あいつの方がわかりそうじゃない?」
「そうですね…何だかんだであのふたりよく話してるみたいだし…ちょっと聞いてみます」
「あのふたりじゃろくでもないこと話してそうだけど…あのエロふたり組…」
二宮さんか何やら呟いたけど聞き取れなかった。
「え?なんですか?」
「翔ちゃんさぁ、智から変なことされない?」
「変なこと?」
二宮さんは俺の横に来ると耳元で話す。
「夜、ベッドで変なことされてない?」
顔がちょっと熱くなる。
「え、あの、それって例えばどんな…」
「なんか今までと違うことされたりとか、したくないこと強要されたりとか」
「ない!ない!ないです!」
「そっか…さすがに智はそこまでしないか…」
「え、雅紀はなにかさせるんですか?」
「あ…」
二宮さんの顔が紅く染まった。