第11章 幼馴染みのアイツ
「え?週3?」
「ヤりすぎだろ~」
驚く櫻井さんと大野さん。
「和くん、勉強大丈夫なの?」
「うん、この前の模試A判定出たし」
「成績落ちたらエッチしないって言ってあるから」
「それって雅紀狡くない?和くんひとりが頑張る感じじゃん」
「だな」
「まあ、そうなんだけど…」
雅紀がばつの悪そうな顔をする。
「いいの、俺がそれでいいって言ったから」
「ふふっ、和くんほんとに雅紀のこと好きなんだねぇ」
櫻井さんが微笑んだ。
「まあ、雅紀も凄かったけどな」
「だよねぇ、ず~っと聞かされてたもんね『俺の和』の話」
「『俺の和』?」
「そうだよ~、付き合ってもないくせにさぁ、『俺の和は可愛いんだ』ってのろけ話ばっかりしてた」
「ほんと心配したよな、これでフラれたらこいつどうなんのかな?って」
「だからね、始めて和くんに会ったとき安心したんだ…あ~和くんも雅紀のこと好きなんだなってすぐにわかったよ」
「ご心配かけました」
雅紀がふたりに頭を下げた。
「ほんとにふたりには感謝だよ、じゃなきゃいつまで経っても雅紀に気持ち伝えられなかったもん」
「良かった、和くんが幸せそうで」
嬉しそうに微笑む櫻井さん。
「ありがと、櫻井さん」
俺も微笑み返した。
「なんかふたりいい雰囲気だな~」
雅紀がちょっと不貞腐れたように言った。
「翔は俺のだかんな?」
「和だって俺のだよ!」
雅紀と大野さんが俺と櫻井さんの事をそれぞれ抱きしめた。
「んふっ、幸せだね…和くん」
「うん、幸せだね、櫻井さん」
大好きな雅紀が俺だけのモノになった。それと同時に俺の良き理解者も手に入れた。
これからも雅紀が先に行くことは多いだろう…でもね、いつか雅紀に言わせてやる『この先の人生俺の隣にいてください』って。
まずはこの3人と一緒に幸せなキャンパスライフを過ごす為に『打倒受験!』だな。
End