第8章 Lovers
「ごめんな?翔」
翔を支えるように抱き起こした。
「なんで謝るんですか?」
「だって、翔ばっかり辛い思いさせて…」
「辛くなんてないですよ?俺、凄い幸せだったし、今も少し痛みはあるけど智さんと一つなれたっていう証拠だし…」
俺を見つめてそう話す翔が愛しくて抱きしめたくなるのをふたりの前だからと我慢してたのに
「いや~!翔ちゃん可愛いんだからぁ!智には勿体ない!」
ニノが翔に抱きついた。
「お前!何してんだよ!」
「だって~、翔ちゃん可愛いんだもん…つい抱きしめたくなるでしょ」
「ついじゃねぇよ、いいから離せ!」
「え~?ほんと智って独占欲強い…岡田に言われる訳だよね~」
「俺だけか?相葉だって嫌だろ?ふたりが抱き合ってて」
「いいえ、全然?可愛いふたりが抱き合ってるんですから寧ろもっと見ていたいですけど?目の保養ですよね」
やっぱり相葉の感覚は俺にはほど遠い…
食堂で朝食を摂っていると岡田がやって来た。
「おっはよ~櫻井くん、昨日一緒に温泉入れなかったねぇ…俺、長風呂して待ってたのに」
「おはようございます、岡田さん」
朝から櫻井に絡む岡田。大体約束もしてないのに勝手に待つな。
「ん?あれ?櫻井くん、具合悪い?なんかダルそう…」
「いいえ、そんなことないですよ?」
岡田に向かって微笑む翔、そんな翔をじっと見ると俺の方に近づいてきて耳元で囁いた。
「お前、ヤったな…」
思わず口に入ってたご飯を吐き出しそうになった。
「なに言ってんだよっ!」
「はぁ…とうとう櫻井くんも大人になっちゃったのかぁ」
「岡田、残念だったな」
ニノが気の毒そうに声を描けると
「でもさぁ、そんなダルそうにしてるなんて大野優しくないだろ?俺だったらもっと優しくしてあげるよ?大野なんてヤメテ俺にしときなよ」
笑顔で翔に話し掛ける岡田。
「すみません、それは無理です」
笑顔で返す翔。
「岡田さん、そのハートの強さ、尊敬します」
相葉が目をキラキラさせて感心してる。
「…ほんとにもういい加減、諦めろや…」
あんな妖艶な翔を見たら誰にも渡せないから…今後あの翔の姿を見る人間は俺だけでありたい、そう心から願った…
End