第7章 終・嘘つきとさよなら
気付いたら風夜は真っ白な空間に居た
しかし、周りの壁には文字が書かれている
風夜「…ここは…、精神の狭間…?」
『……ナイ…、ない、何処にもナい…』
空間の真ん中には、虚ろの目をしたルナが座り込んでいた
風夜(ルナ…!!? じゃあここはルナの精神の狭間の中…?)
『…ナイよ、一人だヨ、何もないよ、何処ニモ居ないよ、消えタよ、……暗闇…だよ…?』
呟きながら涙をポロポロと流すルナ
風夜「…一人じゃねぇだろ、馬鹿が…」
=ぎゅっ…=
風夜はそっとルナを抱き締めた
『……誰? …誰…?』
風夜「お前とよく一緒に居た奴だよ…、帰ろうぜルナ」
風夜は笑ってルナの涙を拭った
風夜「…約束、覚えてるよな?」
『…約束…? ……桜の木の下…?』
風夜「そうだ…。 知らないみたいだから、教えてやるよ」
風夜はルナの両頬を両手で挟み、真っ直ぐ向かせた
風夜「お前を好いてる男は、葉月陳以外にも居るんだよ」