第7章 終・嘘つきとさよなら
\戻れないと知っているから/
【風夜兄さん! これ一緒に読もお?】
どんな時でも側に居た…
大切だった…
大切な自分の片割れだから…
「…あぁ、風夢…。 戻って来たのかい?」
風夜「…戻って来たよ、兄さん」
時の扉をくぐり、相手の部屋へと移動して現れた風夜とテイルス
「…俺に殺されに来たのか?」
風夜「違う。 兄さんに"名"を返しに来た」
風夜の言葉にピクリッと相手は反応した
「…俺に名を?」
風夜「今更何だとか思うけれど…、"風夜"を兄さんに返すよ」
「…返したら、俺の気が済むとでも?」
風夜「思いはしない…。 でも俺は覚悟を決めた、俺は組の"一員"を捨てる!!」
「…居場所を捨てるというのか?」
風夜「そうだよ…。 一から始めて、また黒蝶組の"一員"として認めてもらうんだ」
「…仲間は嘘つきのお前を認めてくれるか分からないのに?」
風夜「俺は認めてもらうまでやめない」
まっすぐな風夜の瞳には迷いはない
「…俺はもう、名も黒蝶組の事もどうでもいい…!!」
相手はパチンッと指を鳴らした
「俺の怒りはそれくらいで収まると思ったか風夢…!!」