第7章 終・嘘つきとさよなら
暗い部屋の壁に寄りかかりながら眠る一希の頭を誰かが撫でた
「…どうして、この子が起きている間に会わないんだい?」
「…俺達は一度死んだも同然」
「今更弟に会わせる顔なんてない…」
「こうして触れられるだけでも贅沢」
「幸せだ…」
同じ顔をした三人の男
「俺は一真(カズマ)。 "一つの真実を貫く者"という意味で父につけられた」
「俺は一刃(カズハ)。 "一つの鋭き刃の持ち主"という意味で父につけられた」
「俺は一守(カズシュ)。 "一つのモノを守り抜く者"という意味で父につけられた」
同じ顔をした三人の男。 上から年の高い順番
「…ならば、"一希"は?」
一真「"一つの希望を背負う者"」
一刃「一希は俺達北村家の希望」
一守「たった一つの存在だ」
「…何故君達は、この子にそこまで執着する?」
「「「父と母、俺達三人。 家族全員が愛しているから」」」
「"愛している"か… ("愛していた"という過去の言い方ではなく、今でもずっと…)」