第7章 終・嘘つきとさよなら
僕は風夜兄さんと一緒に薬草を集める。 こうして他の人から見たら仲の良い兄弟に見えるのだろう…
【どうした風夢? 何だか元気ないな…?】
風夜兄さんが僕に問いかけてきた、聞くチャンスだ…
聞かなきゃ…
【…風夜兄さん、村の皆に歌が下手って言い振らしたの?】
ぴたりっと風夜兄さんの動きが止まり、僕の方を向いた
【…何で僕が? 言い振らしたのは風夢だろう?】
明らかに風夜兄さんの態度が変わった
【僕は言い振らしたりなんてしてない…。 でも皆は僕が言ったっていう、僕になりすませるのは風夜兄さんだけ…】
【…僕のせいにするつもり?】
【だって兄さんでしょ? …陰で僕を笑ってたんでしょ…?】
【違う! 僕は風夢を笑ってなんていないし、雷電の歌を言い振らしたりなんてしてない!!】
【…やっぱり、兄さんか…】
僕は雷電君の歌だなんて、一言も言ってないよ…?