第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
遠くから雫が炎火を呼ぶ
炎火「父さんはもう明日を迎えたくないの?」
炎輪「……迎えたい…、俺はまだ、姫を…」
炎火「なら父さん。 父さんが変わらなきゃ」
炎輪「俺が、変わる?」
炎火「変わって、誰かを受け入れなきゃ…」
炎火は空から雫の方へと視線を移した
炎火「俺は父さんに謝らなきゃいけない。 父さんは俺を許せる?」
炎輪「姫を…、俺は…」
炎火「すぐには許せない。 分かってる…、だけどいつかは許してほしい! …例えこの先、何年かかってしまうとしても…」
炎火は地面を蹴って駆け出した
炎火「必ず帰ってくる!! だけど今は仲間の元で夢を見ていたいんだ!!!! 黒蝶組って最高な場所でね!!!!」
両腕を広げてクルクル回りながら雫の元まで走り続けて笑う炎火
炎輪「…あぁ…。 炎火お前は"とっても幸せ"とは言い難いが、…"幸せ"なんだな」
待っていた雫と共に仲間の元へと駆け寄る炎火の姿を見て、炎輪は目を細めた
水奈「…司馬羅様」
水奈と水底の民達が炎輪の元までやってきた
炎輪「…あの娘の弟か…」
水奈「…僕達はきっと、貴方を許せはしないと思います!」