第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
飛炎は思い出の破片を落としてもっと粉々に割れた
炎火「…何で壊す?」
飛炎「全て壊してしまえば僕が否定される事はなくなる…!!」
炎火「それで…?」
飛炎「それだけの事だよ!!」
炎火「お前が一人になるだけじゃねぇか」
その言葉で飛炎はピタッと動きを止めた
飛炎「…いいんだ、それで…。 それで僕は一人になっていいんだ!!」
炎火「一人になって、誰からも否定されなくなって、何が残るんだよ? お前に」
飛炎「それは…」
炎火「…何も残んねぇじゃねぇかよ…」
飛炎「うっうるさい!! 僕は全てを壊して僕を否定した奴等に見返してやるんだ!!!!」
炎火「あの子、にもか?」
飛炎「あの子はもう死んだ!! あの子は関係ないだろ!!?」
あの子を出すと明らかに飛炎の様子が変わった。 これはもしかして…
炎火「…あの子の為か?」
カッと飛炎の目が開かれた。 …どうやら図星のようだ
炎火「…笑ってほしかったのか」
飛炎「違う…! 僕は自分の為に…!!!!」
炎火「あの子がまた自分に、微笑んでほしかったんだろう?」
炎火は破片を拾い、その中で笑い合っている飛炎と少女の姿を見せつけた