第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
炎火「…飛炎は、自分を誰かに認めて欲しかったのか…? それとも…」
笑って欲しかったのか?
あの子に…
飛炎「…僕の過去、見たね…?」
スッと暗闇の中から飛炎が現れ、炎火は飛炎を見た
炎火「…あぁ、見た」
飛炎「僕の昔は見た通りだよ…。 二百年以上前の主は願いを叶えてあげたのに自分で命を絶った…」
飛炎は割れた窓ガラスの破片を拾った。 キラッと光るその破片は飛炎の思い出
炎火「…天族って、何だ…?」
飛炎「…天族…。 それは契約獣の世界を仕切る獣、こっちの世界で言えば支配者だよ」
炎火「そんなのもお前の世界に居たのか…」
飛炎「奴等は僕を認めなかった…、認めたくなかったんだ!!!!」
グッと飛炎は手に力を込めると、持っていた破片で手の平が切れて血が垂れた
炎火「オイ血が…!」
飛炎「…あの子も時を過ごす事に口から血を吐いたよ、とっても苦しそうにして…」
飛炎は目を細めて自分の血を舌でペロッとなめた
飛炎「思い出はいつだって、僕を傷つけるんだ。 二百年経った今でも…、だから…」
炎火「だから…?」
飛炎「僕は全てを壊したいんだ…!!!!」