第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
窓のヒビは、飛炎が混乱してしまった事が原因のヒビであった
「それでは私は失礼します…」
医者は鞄を持って部屋を後にしようとしたが
飛炎「…ねぇ、お医者様って患者の為に出来るだけの事はするんだよね…?」
「はぁ…? そうですが…?」
飛炎「貴方の命をこの子にあげてって言ったら、出来る?」
ニコッと飛炎は笑って医者を見た
「…あげられるものなら、あげたいと思いますが…。 そんな事出来ませんからね…」
ははっと苦笑いする医者を見て、飛炎はにぃーっと口角を上げた
飛炎「では、貴方の命…この子の為に貰うね?」
「え…?」
ぶわっと飛炎の全身から炎が溢れ出て、呆然としている医者を巻き込むように包み込んだ
「なっ何だコレは…!!?」
飛炎「僕と貴方は今から一緒になるんだよ? それで貴方の残りの命をこの子にあげるの…」
ニコッと笑う飛炎に医者はゾクッとした。 医者だけじゃない、炎火も
「やっやめろ…!! 私を放せ!!!!」
飛炎「貴方医者でしょ? 患者を救うのが貴方の仕事…
この子を救うのが、本望でしょ?」