第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
雫「あれが…、水龍様…?」
炎輪「どういう事だ…? この化け物はお前が消し去ったんじゃなかったのか!!?」
飛炎「ううん? 僕の炎の中に閉じこめていたんだよ?」
飛炎は驚いた表情の炎輪を見て笑った
飛炎「僕の力は相手から"奪う"。 記憶も、体も、命さえもね…?」
「水龍様!!!!」
「今こそ炎上の民に裁きを…!!!!」
「我々水底の民をお救い下さい…!!!!」
水底の民は地にひれ伏し、水龍様に向かって祈りを捧げるように手を合わせる
が
「黙らぬか!!!! 貴様等の一族の事など、我には関係ない!!!!」
カッと赤い眼を開かせて怒鳴る水龍様
「我は貴様を殺す…!! よくも我をそのような炎の中に長い間閉じこめてくれたな…!!!!」
飛炎「貴方が少年のような僕の姿に油断したんでしょ?」
「我はもう騙されぬ…!!!! 我の怒りは天よりも大きい!!!! ここに居る者は全員、我の手によって滅びるがよい!!!!」
水龍様の赤い眼は本気で、その赤い眼は雫へと向けられた
「…ふむ、貴様があの時の巫女の子孫か…」
雫「え…?」
「娘よ、光栄に思うがよい…
我と共に生きる事をな」