第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
断るのもなんだったので私は依頼を引き受けた。 あの水底の民の子供さえ城へ連れて帰って姫様に渡せばきっと姫様は喜んで下さるはずだ
だけど、意外と連れて帰るだけなのに面倒だった
一人の子供を守る為に水底の民の大人が邪魔をする
ねじ伏せる
逃げても追いかける
逃げるなら矢で足を射抜いて膝まずかせる
目的の子供を連れて逃げていたのはその子供の母親だった
面倒だった。 特殊能力者で、とっても強い目をしていた
子供の母親は何度も"水龍様"という単語を口にした
私も知っている。 二つの種族の関係が壊れた原因
何も出来ない愚かな種族
私は何も出来なかった
水龍様はいつか必ず復活を遂げる
そんな事させない、そんな事になればきっと……いや、必ず
姫様は"闇"に落ちてしまうから…
【黙れぇええええ!!!!!!】
私からもう、奪わないでくれーーー…