第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
\お前の気持ち/
悲しい、悲しい、悲しい…
これはあの人と同じ気持ちなのだろうか?
雫「…私は…」
兵二人に挟まれて"処刑台"へと向かう
「…ちょっと待ちなさい」
誰かに呼び止められて、兵二人と雫は立ち止まった
メア「滝川、雫…」
呼び止めた者は執事のメアだった
雫「…貴方は…」
母を殺した人
メア「…何故、生きてるとお思いでしょう?」
メアはそっと目を伏せて呟いた
雫「え…?」
メア「…あの姫様の放った熱くない炎の中…、何故私だけが生き残っているのか…」
雫「…」
メア「…死んでしまえばよかったのにと、お思いでしょう…?」
雫「ッ…! そんな事ッ…」
雫はグッと唇を噛みしめた
メア「…今ここで、私を殺しますか?」
チャキッと音を立てて小さなナイフを取り出し、雫にナイフを持つ方を向けて差し出した
「めっメア殿何を…!!?」
「お止め下さい!!」