第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
雫「…ごめんなさい」
その場に座り込んで俯く雫の瞳は虚ろであった
炎輪「あの世でもそうやって謝り続けているといい」
憎らしい目で雫を見下ろして炎輪は優と一希を担ぐ兵二人と共に部屋を出て行った
雫「…ごめんなさい」
ポツリ呟くように謝る雫の声が静かな部屋に虚しく広がっては消えた…
一人、城の廊下を走る青髪の少年…
「雫姉さん…!! 僕は絶対に姉さんを見捨てたりはしないッ…!!」
片手に一枚の紙を持った、雫の弟水奈である
水奈「水龍様ッ…!! どうか雫姉さんをお助け下さいッ…!!!!」
ーー。
風夜「あー…、遠いー…」
『山を何座も越えて来てたからな…』
風夜はガクッと肩を落として深いため息をついた