第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
雷電「はぁ!!? そんな事…!!」
雷電はすぐさま口を手で覆った
速豹「…それよりも、血の匂いがします…」
雷電「血だ…?」
川の側で屈む速豹を目で追うと、速豹はペロッと川の水を舌で掬って一口飲んだ
速豹「…血が少々混じっていますね」
雷「え!!? 俺飲んじゃったけど!!?;」
雷電「(飲まなくてよかった…) 上流の方からって事か…?」
速豹「…行ってみましょう」
そう言って速豹は雷電の左頬の入れ墨に戻った
雷「…今のが…、お前の契約刀の獣だったのか…」
少し気まずそうな表情をする雷。 そんな雷を見て雷電は一息ついた
雷電「…俺はもう、高野族を憎んだりしちゃいねぇよ…」
雷「…そう」
雷電「…親父は、憎んでるのか?」
雷「…俺は…」
バイクのエンジンをかけた雷電の後ろに雷は跨り乗った
雷「明電の気持ちと一緒の気持ちだ」
雷電「…質問から逃げやがって、くそ親父」
雷「さ! 行こ行こ♪」
本音を聞く事が、少し怖かった