第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
=ダンッ!!=
すぐ真横にあったテーブルを炎輪は拳で力強く殴った。 それに炎火はビクリッと震えた
炎輪「どの口が言っている…?」
低い声で唸るようにそう言った
炎火「おっ俺は…」
炎輪「俺の後ろに隠れて、ワガママを散らし、国を知らぬお前が何を語れる…?」
炎火「俺は隠れない!!」
炎輪「俺の次の隠れ家は黒蝶組、次は何処へ逃げて何処を隠れ家とする?」
炎火「俺はッ…!!!!」
「そこまでにしてあげたら?」
声が聞こえて、炎火と炎輪はそちらの方を向いた
炎輪「…お前に俺を止める権利はない、広原地土…!」
地土「貴方の子供の教育の仕方に口出しするつもりはないよ」
壁に寄りかかりながら立っている地土を炎輪は目を細めて睨んだ
炎輪「ならば、邪魔をするな」
地土「でも、酷い事をするならば俺が許さない…」
ゆらり、と壁から離れた地土の手にはキラリッと怪しく光るメス…
炎輪「…問う。 お前は何故隠していた?」
炎輪の問いかけに地土はキョトンとした
地土「…何を隠していたというんだい?」
炎輪「俺の息子と、水底の民の子を…」