第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
そちらを向けば、目を伏せていた炎火が目を開いた
【これはこれは…、姫様。 こんな所へ来てはいけませんよ?】
執事のメアという男はお母さんが刺さったままの槍を手放した、お母さんは力なく槍と共に地に落ちた…
【…雫を離せ】
【離せ? いつからそんな言葉遣いを…】
【いいから…
離せって言ってんだろ!!!!】
怒鳴った瞬間、炎火の体は炎で包まれた。 そしていつの間にか、小さなナイフのようなモノを持っていた
【お前等なんか…!! 燃えてなくなっちまえ…!!!!】
炎火は一心不乱にその小さなナイフを振り回した
振り回して振り回して
そして、周りは火の海へと変わった…
【雫…、遠くへ行こう…?】
【遠く…?】
【ずっと遠く…】
【でも…、私…!】
私はずっと炎火を騙していた。 殺そうと計画を立てて貴方と仲良くしていた
そんな私が貴方と共になんて…!!