第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
お母さんは刺された
胸を槍が貫く
貫く、腕が力なく落ちる
落ちる
動かない、動かない
お、か、あ、さ、ん、は、し、ん、で、し、ま、っ、た
【うぁ…!!!!】
【何も出来ないのはお前等水底の民だ…】
フンッと槍で一突きした執事のメアという男は笑った
【うっ…ひっく…、おかあ、さんっ…】
泣き出す私を兵が捕らえた
何も考えられない、考えられない
何もかも、消えてしまえばいいと願ってしまった…
【うぁ…! お母さん…! お母さん…!!!!】
【雫…!!!!】
炎火の声が、聞こえた…
【炎火…君…?】