第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
足音が近づいてきて、私はお母さんの手を強く握った
【…何があっても、私が守ってあげるからね雫…】
【…うんっ!】
私が強く頷くのを見てお母さんは優しく微笑み、もう片方の手の指をガリッと噛んだ
【おっお母さん血が…!】
【大丈夫よ…、行くわよ…!】
グィッと私の腕を引っ張って外へと飛び出した。 外の近くには兵が二人
【!? 居たぞ!!】
【大人しくその子供を渡せ!】
やっぱり目的は私…?
【子供をはいどうぞって渡す親が何処に居ますか…!】
お母さんは片手を振るってその二人の元に血を飛ばした
【血…?】
【血の十字架…!】
お母さんがポツリ呟くように言った瞬間、血が十字架の形に変わって兵の体に突き刺さった
【ひっ…!】
【走るわよ…!!】
腕を引かれながら私はお母さんと走り出した
【お母さん今のは…?】
【あれは私の特殊能力よ…! 一滴の自分の血を十字架に変える事が出来るの…】
ポタポタとお母さんの指先から血が垂れて点々と血が地を濡らす
【お母さん、血とめないと…】